病院で処方箋をもらうと、なんとなく目の前の薬局に行って薬をもらってましたが、薬局によって薬の値段が違うのであれば、どこの薬局に行くか選ぶべきだと思います。
このコラムでは薬局を選ぶポイントについてご紹介します。
こんにちは。合同会社YAKUDACHI代表社員、薬剤師の鈴木重正です。
私は普段、自分の経営する薬局で薬剤師として働いています。また、0歳、1歳と8歳の子供がいるので、風邪をひいた時などは患者(の親)として薬局を利用しています。
そんな薬局経営者兼患者としての私の目から見た薬局の選び方はズバリ
・初めての薬か、いつもの薬か
の一点で大きく分かれます。
初めて飲む薬か、いつもの薬か
【初めての薬の場合】
今日初めて飲む薬の場合には、そもそも処方されている薬を在庫として持っている薬局でないとすぐ対応してもらえないかもしれません。また、一般的に値段の安い薬が多いので、(安い薬を求めて)遠くの薬局まで取りに行ってもメリットがあまりありません。
よって病院の近くの薬局で薬をもらうとよいでしょう。
今日はじめて飲む薬 → 隣の薬局で薬をもらう
多くの場合は、その病院の薬について一番詳しいのは近くの薬局の薬剤師さんなので、そういった点でも、はじめて飲む薬は近隣の薬局でもらうほうが良いと思います。
【いつもの薬の場合】
いつもの薬の場合には、薬についての知識はすでに患者さんが持っているので、隣の薬局に限定する必要はありません。
ただし、これまでは実際に薬局に行ってみるまで、薬の在庫があるかどうかや、その料金がわからなかったので、単純に近くの薬局に行っていたのではないでしょうか。
ところが、スマホアプリ【kusurine(クスリネ)】を利用することにより利便性(薬局の在庫情報やスマホ、ポイント対応)や料金が薬局に行く前にわかるようになりました。
よって、これからの薬局の選び方は下記3点になります。
・料金(技術料と薬剤料)
・品質(信頼できる薬剤師さんがいる、清潔感、感じよさ等)
・利便性(立地、在庫、スマホ対応、ポイントカード等)
【薬局の料金体系】
皆さんも薬局に行った際に、領収書と一緒に「明細書」という紙をもらっているはずです。
細かな字で聞きなれない単語が書かれているので、あまり読む気にはなれませんが、この「明細書」に薬局の料金の内訳が書いてあります。
これからの薬局の選び方は「立地」から「料金や在庫有無」に変わります。
薬局の選び方①料金
薬局の料金は技術料と薬剤料の合計額です。技術料は薬局の機能や規模などによって薬局ごとに違います。また、薬剤料はそれぞれの医薬品ごとに決められていますが、ジェネリック医薬品の場合には薬局が採用している品目ごとに値段が違います。詳しくははコラム”あなたの飲んている薬は高いジェネリックですか?安いジェネリックですか?”をご覧ください。
薬局の選び方②品質
信頼できるかかりつけの薬剤師さんがいる場合には、その方を頼るのが良いと思います。顔なじみの薬剤師であれば、あなたが飲んでいる薬だけでなく生活リズムや食習慣に応じて、適した飲み方を提案してくれたり、処方した医師に処方変更を依頼してくれるでしょう。
かかりつけの薬剤師さんがいない場合には、薬局の品質はその清潔感で選ぶと良いと思います。薬を調合する調剤室の中は高い衛生環境が求められますが、いい加減な薬剤師が管理する薬局の場合には、保健所の検査にひっかからない程度にしか清掃がなされていないこともあります。患者さんとして薬局に行った際には調剤室の中までは見る機会がないと思いますが、例えば待合室やトイレなど、清掃が行き届いているかはその薬局の管理者がどんな人間かを推し量る要素にはなると思います。
薬剤師がジーパン、スニーカーなら二度と行きません
私見ですが薬剤師が上だけ白衣で下はジーパンだったり、土足の場合にはその薬局には2度と行きません。ジーパンであれば、恐らくその薬剤師は調剤室に入る際に着替えていないので、自身の日常生活と高い衛生環境が求められる薬局内を分けてないことになります。つまり、その薬剤師にとっては調剤室は大して衛生的でなくてもよいということになります。土足は論外ですが、ドラッグストアに併設される調剤室や古いお薬屋さんが始めた薬局に土足の薬剤師が多いように思われます。
薬局の選び方③利便性
立地に関しては前述の通り初めてのくすりの場合には病医院の隣の薬局でもらうべきだと思います。以前はいつもの薬でも隣の薬局で調剤してもらっていたかもしれませんが、これからは スマホアプリ【kusurine(クスリネ)】を利用することにより利便性(薬局の在庫情報やスマホ、ポイント対応)や料金が薬局に行く前にわかる ので帰り道の途中や家の近所、電車の場合には降りる駅の近くの薬局の中から在庫や料金に応じて選ぶことができます。
スマホ対応している薬局であれば、待ち時間はほぼゼロ
処方箋を発行してもらった病医院の隣の薬局で調剤を受ける場合、以下のステップがその待ち時間になります。
- 処方内容のデータ入力
- 薬の取り揃え、調合
- 出来上がった薬の監査
- カルテ(薬歴)と今回処方薬の照合
あなたの他に誰も待っていない状態で、血圧の薬1種類など簡単な処方だけだった場合、上記の4ステップにかかる時間は3~7分程度です。当然、先に待っている患者さんがいる場合や調剤に時間のかかる複雑な処方箋などは更に時間がかかります。待ち時間は薬局ごとにバラバラで、特に総合病院の出口付近に並んでいる薬局(タケノコ薬局)では20~30分待ちは当たり前です。生活習慣病薬や風邪薬、目薬、シップだけの場合などは総合病院の出口付近の薬局は避けたほうが無難です。
また、スマホ対応している薬局の場合、上記4ステップはあなたがスマホで処方箋データを送信してから開始されるため、例えば自宅近隣の薬局に処方箋データをスマホから送信した場合、帰り道の道中には調剤が完了しているはずです。通常、スマホによるデータ送信であっても薬局側の受付番号は受診した時点で附番されるため、あなたが薬局に到着した時点でほかに待っている患者さんがたくさんいたとしてもすぐに薬を渡してくれるはずです。
薬局M&A、薬剤師独立支援の合同会社YAKUDACHI代表社員 社長
大手調剤薬局チェーンにて薬局現場勤務、事業会社取締役、ジェネリック医薬品メーカー立ち上げの後、グループ全体のM&Aを担当。M&A業界では稀有な薬剤師M&A担当者としてソーシングからPMIまで一貫してリード。
2019年、M&Aを利用した薬剤師の独立支援を目的に合同会社YAKUDACHI設立。また、自分自身もM&Aにより薬局を譲受し調剤チェーンより独立。北海道千歳市にすずき薬局開設し、管理薬剤師登録。
プライベートでは2男1女の厳しく、頼られる父親像を思い描きながらも、家庭は嫁と娘に支配されている。
幼少期からの夢だった大型犬を飼いたくて、現在、稟議申請中。